The屋号/2003/07/25掲載
 
THE屋号 はるちゃん
平日も休日も子供たちでにぎわう
 

 「はるちゃん」と子供たちの呼ぶ声が聞こえる。学校が休みの日には、開店前から集まる子供たちに、「仕入れに行くから、おとなしく待っててね」と言って出掛ける内田春江さん(47)。今年六月に駄菓子屋「はるちゃん」を江戸川区大杉一丁目の自宅に開いた。

 居酒屋を開きたかったのだが資金不足で、元幼稚園教諭で子供と話すのが好きだったので、駄菓子屋を始めた。今年三月まで同区立松江第四中学校PTAの副会長を務めていたことから、PTA仲間が店の看板を書いてくれたり、仕事を手伝ってくれた。夫も協力してくれている。

 母親にアイスキャンデーを買ってもらって店さきのベンチに座って食べる子、くじでボールやゲームを当てて大喜びの小学生、カップめんにポットの湯を注いで食べる中学生……。実家の父母が同区本一色の畑で育てたじゃがいも、たまねぎや大根の漬物も並んでいて、孫を連れたおじいちゃん、おばあちゃんにも喜ばれている。

  「はるちゃん」の店の周りは、休日も平日も子供たちでにぎわう。ノートを広げ「勉強、楽しくない」と話す子や母親が働きに出ていて「家の中がさみしい」と言う子供の話し相手になってあげるときもある。夕闇が近づくと閉店時。はるちゃんも子供たちも名残惜しい。「また、来てね」と声を掛ける。きょうも、子供たちが食べ散らかして道に落とした菓子の袋を拾い集め、「あしたも元気な顔を見せてくれるように」と願いながら、店じまいした。

 TEL 3653・4206


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